青い空を、白い雲がかけてった/あすなひろし

あすなひろし氏は2001年に亡くなられるまで、少女マンガから劇画、少年誌と幅広く活躍された方です。本作は少年チャンピオン全盛期に不定期連載されていた作品で、中学生達が日常生活の中で成長していく姿が描かれています。
先日、エンターブレイン社から代表作を集めた単行本が発刊され、久々に読んでみました。ギャグ部分の構成はさすがに古くさく読んでいてこっぱずかしくなる事もありましたが、独特の描線は今なお新鮮さを失っていません。この人の絵には、どの線を活かしてその線を省略するかといったある意味マンガの基本的な部分に非常にセンスの良さを感じます。また、読んでいて「何か最近のマンガと違う所がある」と感じましたが、それはおそらく「家族」の存在の大きさです。この手のマンガでは、学生、先生、学校生活がメインとなり、学生の両親などは端役になりがちですが、この作品では主人公の両親が深く関わり、主役を張る回まであります。
できればダイジェスト版ではなく、全話収録版としても発刊して欲しい所ですが、ビジネスとは難しいかも知れませんね。

あすなひろし追悼公式サイト http://www.asunahiroshi.net/
青い空を、白い雲がかけてった―Hiroshi Asuna memorial edition (Beam comix) ISBN:4757718101