マイニチ/木村千歌

竹書房から全3巻で発売されていた「マイニチ」が全話収録の分厚い一冊として復刻。もともと単行本全巻は持っていたのですが、「単行本未収録作品を掲載」の帯文字に負け、本屋にこらしめられて*1しまいました。
登場人物は「とーた」と「もも」の2人だけ。下品な「とーた」にあきれつつも実は同類の「もも」とは元恋人ながら、腐れ縁のままよりを戻していくのが大きな話の流れですが、1話1話は平凡な日々のちょっとした出来事が綴られています。下品で自堕落なマイニチの中で、ちょっとした事で感動したり、がっかりしたりしながらゆったりと進むストーリーがこのマンガの「味」となっています。これは彼女の得意なパターンで、「パジャマ・デート」などでも同様の手法で描かれています(ストーリー性のある長編4コマも似たパターンですね)。
木村千歌さんというとNHKアニメにもなった「あずきちゃん」が有名なため、子供向けの作品が多そうなイメージがあります。そのようなイメージを持った方が「マイニチ」のような作品を読むと、下品で大人向けの内容にショックを受けるかも知れません。しかし、「あずきちゃん」のような作品の方が彼女の中では特殊なのです。子供向けマンガ家だと思って敬遠していた方は、ご一読してみては如何でしょう?

マイニチ (リターン・フェスティバル) ISBN:4765905764