天使と宇宙船/フレドリック・ブラウン

1965年初版ですから、かなり古い本です。
ブラウンは、SFとミステリーの両方の分野で活躍した方で、奇抜な発想と機転の利いた内容は今も色褪せません。「天使と宇宙船」はSFの短編集で、地中を鳥が飛ぶおかしな星の話「気○い星プラセット」や、電波に引き寄せられ電気を食べる無形生物に地球が占拠される話「ウァヴェリ地球を征服す」など全16編を集めたものです。
ブラウンのファンである坂田靖子、橋本多佳子、波津彬子の3人によるマンガ化「フレドリック・ブラウンは二度死ぬ」も面白いです。マンガと言えば、たがみよしひさ氏もブラウンファンのようで、別の短編集である「スポンサーから一言」から取ったと思われる「依頼人(スポンサー)から一言」という作品を描いたり、軽井沢シンドロームでもミステリーの「3、1、2とノックせよ」を意識した描写があります。
ブラウンの作品のタイトルや内容には、古いという事もあり「気○い」という単語(Madの邦訳)がよく出てきます。私の持っている本は1982年出版の物ですが、今では自主規制で別タイトルになっているかも知れません。自主規制と言えば、以前紹介した「たま」という船に乗っていた/石川 浩司でも、「ヨンヨコヨンヨンヨ〜ン」という掛け声の歌詞を刷った歌詞カードが自主規制により全面廃棄されたという話が出ていました。なんでも、牛や豚を捌いていた身分の低い人を「4つ」と言って差別していたらしく、「ヨン」という言葉が「4」を連想させるのでNGという事だったらしいです。それって、いくらなんでも行き過ぎですよねぇ。そんな事言ったら、何でもかんでも無理やり差別用語を連想させるって解釈になりそうで怖い。そもそも「4」がNGなら、ヨン様もNGなのかっ!
#すっかり話が脱線してしまいました^^;

天使と宇宙船 (創元SF文庫) 「天使と宇宙船」ISBN:4488605028
フレドリック・ブラウンは二度死ぬ (講談社漫画文庫)フレドリック・ブラウンは二度死ぬ」 ISBN:4063604322